和歌山県立和歌山高等学校 教諭 瀬岡美景
『NIE新たな発展へ』~未来型NIEを探る~をテーマに、第8回近畿NIEフォーラムが、台風一過が過ぎ去った翌日の8月8日、大阪市立天王寺中学校で開催され、講演、ワークショップで大いに盛り上がりました。
神戸市立博物館副館長でラジオのコメンテーターなどで活躍されている山崎整氏による「未来型NIEを探るーフェイクニュースがあふれる社会で」のタイトルで記念講演が行われました。具体例をあげながらフェイクニュースについて説明をしていただき、フェイクニュースには、流す意図や目的などがあることや全世界にあっという間に拡散する事実を知らされ、改めてその脅威について考えさせられました。情報化社会の中で、簡単に早くニュースを手に入れることができるからこそ、その信憑性や目的などにもしっかりと判断していく客観的な力が必要になってきます。フェイクニュースだけではなくネットニュースについても注意が必要だということをしっかりと理解しながら、「スピード勝負」の情報に振り回されないようにしたいと思いました。また実践例として、大学や高校での講義のお話から新聞を活用した授業を展開していくヒントをたくさんいただきました。スマホでは味わえない読むことの面白さに気づかせ、新聞の持っている魅力について知る機会を積極的に作っていきたいと思います。続いて、ワークショップの「まわしよみ新聞」を体験させていただきました。
ワークショップは、NPOまちらぼ代表理事陸奥賢氏による「まわしよみ新聞編集長養成講座」です。1G4名のワークでいくつかの地方紙から自分の好きな記事(面白い、気になる、何やコレ)を3枚抜き出し、それぞれ選んだ理由をプレゼンして、グループで話し合いルールとしての場所、コメント、イラストなどを入れて、一つの新聞の紙面を作っていく。メンバーの中には教員以外にも通信社の方々もいて、コラムや記事を書く裏ネタなども教えていただき、生徒になった気分で盛り上がりながらあっという間に楽しい時間が過ぎていきました。終了後、みんなで作り上げた新聞をポスターセッションしました。同じ記事を切り取っても視点の違いがあったり、自分の気づかなかった記事のプレゼンを聞いている中で人の話を聞く面白さを感じたり、自分のプレゼンに共感してくれることで自己肯定感が高まったりして、グループ内にコミュニケーションが自然と定着していくような気がしました。学校だけではなく、高齢者の施設や自治体、会社など様々な場面で「まわしよみ新聞」が広がっているそうです。自分自身が体験してその面白さにはまってしまいました。様々な場所で活用できる気がします。
改めて新聞の持っている力の奥深さ、可能性を再認識させていただいた1日でした。学校に戻り、授業を通じて、今日、自分が感じた面白さ、情報があふれている社会でしっかりと見極める力の必要性を教えていき、生徒と一緒に新聞の面白さを共有できる時間を作っていきたいと思います。まずは「まわしよみ新聞」に挑戦してみます。