中学校・高等学校の双方における新聞学習
県立田辺高等学校 教諭 東 美佳
NIE推進校2年目に入り、本校では大きく二つの取り組みを行った。まず一つ目は、図書館との連携により、新聞が図書館で借りられるということを生徒だけでなく、教員側にも告知し、積極的に生徒の興味・関心事項に新聞を利用してもらうようにした。特に今年はTPPやアメリカ大統領選等、大きな関心を集める話題が多かったこともあり、生徒は新聞を各紙見比べることが出来たようである。また担当者が1年生の担任であるので、担当教室にNIEからの新聞を分類して整理し、誰でも自由に閲覧できるようにした。これにより、自宅で購読している新聞以外の記事に初めて触れたという生徒も少なからず存在していることがわかった。
二つ目には、このように新聞に触れる機会を周知したうえで、中学校1年生・中学校2年生、高等学校1年生に今年の夏季休暇中の課題として、「第7回いっしょに読もう!新聞コンクール」への公募を行った。本校では、以前から新聞記事を二紙以上、スクラップし、自らの意見を述べるという課題を出していた為、二人以上と意見を交わすことが必須で、従来の課題発見のみならず、新しい視点への気づきをもたらすことから今回、コンクールへの募集を決めた。本校で集計した結果、476点の作品が集まり、県コンクールで優秀賞7点、奨励賞⓱点の入賞をさせて頂くことが出来た。
また本校では総合学習の時間にて、地域の現状について調べ、実際にフィールドワークで調査する地域研究を行っている。総合学習の一環として紀伊民報の石井局長をお招きし、取材の心構えや、情報を得ること、分析することの重要性をお話し頂いた。このような取り組みが高等学校で行われることも踏まえて、中学生のうちから、新聞を身近に感じるような声かけ、そして目標のある取り組みが継続することで、自ら情報を収集・分析し、課題発見、解決への道筋を見つけてくれることを期待したい。