平成28年8月4日・5日
和歌山NIE推進協議会 副会長・NIEアドバイザー 赤阪 健司

 「新聞でわくわく、社会と向き合うNIE」を大会スローガンに、第㉑回NIE全国大会大分大会が、8月4日・5日の二日間、大分市のホルトホール大分で開催され、研究・討議が熱心に行われた。
 開会式では日本新聞協会の白石興二郎会長が「NIEは学校での学びと社会をつなぐ、窓の役割を果たしてきた。子どもたちが社会と主体的に向き合う機会作りが重要」とあいさつをした。
 記念講演は、大分県佐伯市出身の芥川賞作家で立教大学文学部教授の小野正嗣氏が「言葉に触れる、言葉で触れる」と題し記念講演。新聞が好きだった祖母や兄、フランス留学中の恩師らのエピソードを紹介しながら「新聞は世界最大のアクセスポイント」、「新聞は現実そのものを包括する存在」など、視野を広げる新聞の役割の重要性を強調した。
 大分大会実行委員長の堀泰樹・大分大学教育学部教授が、「社会と向き合うNIEに向けて」をテーマに基調提案、NIEは全教科、全学年で取り組むことができる。学校全体で組織的に進めるための体制の整備や、NIEのカリキュラム化、小中高の連携、学校図書館の機能充実の必要性、主権者教育推進のため、社会の動きや課題を多角的・多面的に考察し、公正に判断する力を身に着ける、新聞を活用した教材開発も課題になると呼びかけた。
 パネルディスカッションでは、県内を中心に全国から1,400人の教育関係者などを前に、「楽しくなければNIEじゃない!〜私たちはなぜ新聞活用に取り組むのか、その意義と実践のコツ〜」をテーマに、NIEに取り組む教員や、授業を受けた中学生も出演し、記事を通じて多様な意見を認め合う良さや、NIEが学力にもたらす効果などについて活発な討論や意見交換を行った。

 和歌山NIE研究会では、皆さんの「NIEの取り組み」を支援しています。実践校の取り組みや研究会、全国大会の参加など、多岐にわたり支援体制を整えています。新聞と教育が互いに重要な意味を持つことが認識されてきた今日、①NIE が21世紀型学力を育てるためのとても有効であること、②選挙権年齢が18歳に引き下げられ、今まで以上に主権者教育が求められていることに鑑み、これからの学校教育でNIEの活用の場が広がり、その成果が待たれるところです。
 是非、多くの先生方に児童・生徒の「学力・人間性の向上」の有効な方法であるNIEに取り組んでいただきたく、お願いする次第であります。